1.初診日の確定
障害年金を請求するや為に一番最初にするべき事は、初診日がいつかを確認する事です。
初診日とは障害年金を請求しようとしている障害・病気について初めて病院などで診察を受けた日です。 事故や脳出血など突然、前触れもなしに起きた時はその日です。なんとなく具合が悪く近くのクリニックへ行ったあと、その症状がだんだん悪化して今の状態になったら最初にクリニックへ行った日です。 今の障害・病気に関してという所がポイントになります。 風邪を引いただけならそれは関係ありません。
なぜ初診日を確定しなければいけないかというと、障害年金に必要な被保険者要件と保険料納付要件を確認するためです。この二つの要件と障害要件の三つの要件が満たされないと障害年金は受給できません。
初診日が比較的最近で記憶に残っていればいいですが、10年以上も前になると記憶もあいまいになりますので、しっかりと記憶をたどってお薬手帳や診察券、領収書などで初診日を確認しましょう。
2.年金記録の確認
初診日が確定出来たら、初診日における被保険者要件を確認します。被保険者要件とは初診日において国民年金か厚生年金(共済も含む)のどちらの年金に加入しているかです。日本国内に居住している20才以上60才未満の人で厚生年金に加入していない人は必ず国民年金の加入者となります。厚生年金は70才未満の人なら20才未満でも加入者になります。また被保険者であった人で60歳以上65才未満の国内居住の人も国民年金の加入者とみなされます。それ以外の年齢でも任意加入している場合もあります。
この被保険者要件で国民年金か厚生年金かを確認します。(例外的に20歳未満の時に初診日があるときは加入者ではありませんが国民年金に加入しているとみなされます) この振り分けで支給される年金が違ってきます。 すなわち国民年金は障害基礎年金、厚生年金は障害厚生年金とにです。 初診日においてどちらの年金の加入者かで、支給される年金も等級や金額も違います。
障害基礎年金は1級と2級、障害厚生年金は1級、2級、3級、障害手当金となり、障害厚生年金1級、2級には障害基礎年金が上乗せされます
次に確認するには保険料納付要件です。これは初診日の前日において初診日の前日がある月の前々月までに被保険者期間(国民年金と厚生年金の期間全部)の3分の2以上の保険料納付済期間と保険料免除期間があるか, もしなければ初診日の前日において初診日のある月の前々月の直前1年間に保険料納付期間と保険料免除期間以外の期間(未納期間)のない事です。
したがって保険料を納めていない人や免除申請をしていない人は障害年金を受け取れない場合があります。厚生年金は源泉徴収されますので加入後1年2か月以上経過している人は大丈夫ですが、1年1か月以下ですとその前の保険料納付状況を確認しなければいけません。
この被保険者要件と保険料納付要件を確実に確認するのは年金事務所で確認して貰うことです。特に保険料納付要件が満たされないと請求ができないため、それ以後の手続きはしても無駄になりますので、しっかり確認しましょう。
3.受診状況等証明書(初診証明)の取得
初診日が確定されて、年金事務所で保険料納付要件を確認出来たら、年金事務所で渡される年金キットの書類の中に入っている受診状況等証明書を初診の医療機関に作成を依頼します。料金や作成期間は医療機関でまちまちですが、一般的には料金は3,000円で作成期間は一週間ぐらいです。この受診状況等証明書に記載される傷病名は現在のものと違っていることもありますが、関連していれば大丈夫です。
4.診断書の取得
次は診断書の取得ですが、ここで障害要件が判断されます。正確には「診断書」と次に出てくる「病歴・就労状況等申立書」の二つの書類によって障害等級が判断され、国民年金なら1,2級、厚生年金なら1,2,3級と障害手当金とに該当すれば、障害年金は支給されます。これらの等級以外は不該当になり支給されません。書類のウェイトは診断書(8~9割)、病歴・就労状況等申立書(1~2割)です。したがって診断書は非常に重要となります。
請求パターンによる診断書の内容と枚数ですが基本的なパターンは認定日請求です。これは初診日から1年6か月経過した日の状態で障害認定をするのですが、その時に必要な診断書の「現症日」の日付は障害認定日から3か月以内でないといけません。従ってこの初診日から1年6か月後の障害認定日から3か月以内の間に受診していないと、診断書の現症日がその3か月以内にならないので、認定日請求が出来なくなります。
この障害認定日から3か月以内(例えば障害認定日が1月15日だとすると3か月以内は4月14日となります)に受診していないとその期間の時、症状が重たくても診断書が取れなくなるので注意が必要です。
障害認定日には1年6か月以内でも症状が固定したと認められる傷病がありますが、一般的には初診日から1年6か月後になります。
提出する診断書はこの障害認定日から3か月以内のもの1枚でいいのですが、もし提出が遅れて障害認定日から1年を過ぎたときは、請求日以前3か月以内の診断書も必要です。つまり2枚の診断書が必要です。
また障害認定日ごろには症状が軽く、障害等級に該当していなかったがその後症状が重くなった場合には 事後重症請求が出来ます。この時の診断書は請求日以前3か月以内のもの1枚となります。ただし診断書の「現症日」から3か月を過ぎるとダメなので注意が必要です。
他に認定日請求を忘れていて請求していない場合は遡及請求(障害認定日より1年以上経過して請求)という方法もあります。この場合障害認定日まで遡って請求できますが、時効があり請求時点より最大5年間しか遡れません。診断書は障害認定日と請求時点(現在)の2枚必要です。この場合遡及請求は認められなくても事後重症請求は認められる事も多いです。
審査結果が不服の場合は決定を知った日(自宅に決定通知書が郵送された日)から3か月以内に審査請求やさらに不服の場合、審査請求の結果を知った日から2か月以内に再審査請求も出来ます。 現在障害年金を受給しているが、症状が重くなってきたら前回の決定より1年経過後に額改定請求ができます。
障害年金を受給していたが症状が軽くなって支給停止した場合で再び症状が重くなったときはいつでも支給停止事由消滅届が出せ受給を再開させる事ができます。
5.病歴・就労状況等申立書の作成
最後に病歴・就労等申立書ですが、この書類は自分で作成しなければいけなせん。発症から現在の至るまでの状況を一定のルールで記入するものですが、内容は診断書に書かれてある事とあまりかけ離れた事は記入しないほうが良いです。障害認定は主に診断書とこの申立書の内容で判断されますので、症状が軽く書かれている部分があると、不支給の根拠とされることもありますので注意が必要です。
6.年金申請書の作成
今までそろえた受診状況等証明書、診断書、病歴・就労状況等申立書とこの年金請求書を記入して書類は完成ですので、あとは年金事務所に提出して終了です。支給決定通知は3か月後ですが、年金支給は請求月の翌月からですので早く支給すればするほどいいです。ただし提出書類の内容はしっかり精査した方が受給確率はあがりますので、慌てて出して不支給になるよりは慎重に提出することをお勧めします・
7.社会保険労務士の支援のおすすめ
最後にこうした障害年金の請求手続きは、ご自分でされると不支給につながる要因が多い事があります。初診日の確定が難しい、初診証明が廃院やカルテ廃棄で取得できない、障害認定日の診断書が取得できない、診断書の内容が自分の症状を反映されず軽く書かれている、主治医にどのように自分の症状を伝えたら良いか分からない、病歴・就労状況等申立書の書き方がわからない、などの困難さがあります。そのため請求をあきらめたリ、先延ばしになっているなどの状況の方も多いです。こうしたとき社会保険労務士のご利用をお勧めします。初診日の確定から年金事務所への提出までのすべての行程でお手伝いを致します。社会保険労務士はこうした困難さなどを乗り越えるノウハウを持っています。最善の状態での請求が可能ですので、是非とも社会保険労務士をご利用ください。
また当事務所はこうした社会保険労務士の支援を、できるだけ依頼者の方のご負担を軽くするため業界標準額の半額でご依頼をお受けします。是非ご利用して下さい。まずは無料相談からどうぞ。